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ふ化放流事業の歴史

  • サケの産卵と母川回帰は、我が国においても古くから知られており、江戸時代の中期には新潟県の三面川村上市HPより)、山形県の月光川で、種川制として天然産卵の保護助長が行われていた。

  • さけますのふ化法は、世界的には1420年フランスで試みられており、我が国への導入は1873年(明治6年)ウィーンで開催された万国博覧会に派遣された関沢明清埼玉県立川の博物館HPより)が、欧州に普及していた”ます”のふ化法に感銘し、1876年 (明治9年)フィラデルフィアの米国独立100年記念博覧会に派遣された折、詳しくふ化法を学んで帰国したことに始まる。

  • ふ化試験は本州において1876年(明治9年)茨城県の那珂川(マルハニチロサーモンミュージアムより)、北海道においては1877年(明治10年)札幌の偕楽園札幌市HPより)で各々行われたが、本格的にふ化放流事業が進められたのは1888年(明治21年)に北海道の石狩川支流千歳川に官営の千歳中央ふ化場(現在のさけますセンター千歳事業所)が建設されてからである。これを契機に北海道においてはふ化場の建設が進められ、これまでの河川内捕獲規制や産卵保護による資源維持から人工ふ化放流事業への大きな転換が図られた。

  • ふ化場の運営は民間が主であったが、1894年(明治27年)以降サケ資源が減少し、河川で捕獲した親魚の売却金をふ化放流事業の運営資金としていたため、資源の減少は経営不振を招き、再生産に必要な親魚数が確保されず、さらに資源の減少が生じるという悪循環が続いた。

  • 1934年(昭和9年)ふ化放流事業の統一、再編が図られ北海道庁の管轄となり事業が進められてきたが、1951年(昭和26年)水産資源保護法の公布にともない、1952年 (昭和27年)北海道におけるふ化放流事業は国に移され「水産庁北海道さけ・ますふ化場」が設置された。その後、北海道において道営、民営のふ化場が次々と建設され、国営のふ化場を中心に官民一体となったふ化放流事業 が実施された。

  • 一方、本州においては、藩制時代からの自然産卵保護制度が明治になっても引き継がれていたが、北海道におけるふ化放流事業の普及・発展の影響により徐々にふ化場が建設された。全てのふ化放流事業は民営により行われていたが、1955年 (昭和30年)から国費、県費の補助事業として実施している。

  • 近年における我が国のさけますをめぐる情勢は、1977年(昭和52年)の200海里体制の本格的な定着に伴う海外漁場の制約の強まり、あるいは1994年(平成6年)の国連海洋法条約の発効により厳しいものがある。しかし、さけますに対する国民のニーズは従来の食生活における動物性たん白質としての供給にとどまらず、河川環境の保全やレジャー等の分野への関心と期待が一層高まってきている。


人工ふ化放流事業年表

1876(M9) 茨城県那珂川におけるふ化試験.
1877(M10) 北海道札幌偕楽園におけるふ化試験.
1888(M21) 北海道に千歳中央ふ化場(現さけますセンター千歳事業所)を建設.
1910(M43) 北海道第一期拓殖計画により千歳,西別,年萌のふ化場を内務省管轄,北海道拓殖費による国営経費に移す.
1924(T13) 地方費により北海道庁鮭鱒孵化場を設置し,北海道水産試験場の千歳,西別支場となる.
1927(S2) 北海道第二期拓殖計画により,さけ・ますふ化事業は北海道水産試験場から分離し4つの鮭鱒孵化場を設置.
1934(S9) 北海道千歳鮭鱒孵化場を北海道鮭鱒孵化場と改称し本場として,他に4支場を設置し民営ふ化場38ケ所を国営経費とした.
1941(S16) さけ・ますふ化事業は地方費になり,北海道水産孵化場と改称.
1948(S23) さけ・ますふ化場は国費によることとなり,捕獲事業は道知事に委任.
1951(S26) 水産資源保護法公布.北海道鮭鱒増殖漁業協同組合設立.
1952(S27) 水産資源保護法の施行に伴い農林省所管として水産庁北海道さけ・ますふ化場を設置.
1954(S29) 第1次5ケ年計画(昭和29年〜33年、サケ最終放流計画北海道3.2億尾).
1955(S30) 本州におけるふ化放流事業を補助事業とする(稚魚の買い上げ放流事業に助成を開始).
本州鮭鱒ふ化放流振興会の設立.
1959(S34) 第2次5ケ年計画(昭和34年〜38年,さけ・ます最終放流計画 北海道4.2億尾).
1962(S37) 北海道鮭鱒増殖拡充計画〔昭和37〜42年,さけ・ます最終放流計画5.7億尾(8億粒採卵)〕.
1963(S38) 本州における第1次3ケ年計画〔さけ・ます最終放流計画1.4億尾(2億粒採卵)、本州鮭鱒ふ化放流振興会策定〕.
本州における増殖施設整備事業に対し助成を開始.
1966(S41) 本州における第2次5ケ年計画(昭和41〜45年、さけ・ます最終放流計画2.1億尾,本州鮭鱒ふ化放流振興会策定).
1967(S42) (社)北海道さけ・ます増殖事業協会設立(北海道鮭鱒増殖漁業協同組合を改組).
1968(S43) さけ・ます増殖事業推進整備計画(昭和43〜45年、サケ最終放流計画6.3億尾).
1971(S46) さけ・ます資源増大再生産計画(前期計画昭和46〜50年、さけ・ます最終放流計画 北海道7.18億尾、本州2.15億尾).
(社)本州鮭鱒増殖振興会設立(本州鮭鱒ふ化放流振興会を改組).
本州における調査事業に対し助成を開始.
1976(S51) さけ・ます資源増大再生産計画(後期計画昭和51〜55年,さけ・ます最終放流計画 北海道9.78億尾,本州5.90億尾).
1979(S54) さけ・ます資源増大計画(昭和54〜58年,さけ・ます最終放流計画 北海道13億尾,本州10億尾).
1985(S60) 「さけ・ます増殖事業の展開方向」発表.
1996(H8) 秋さけの回帰数が過去最高の8,900万尾を記録.

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