2015年3月24日new!(掲載内容を年度更新しました)
2013年の北太平洋各国
漁獲数
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2014年のNPAFC科学調査統計小委員会(CSRS)における各国の報告によると,2013年1-12月の北太平洋の漁獲数は5億8,602万尾で,前年4億6,482万尾の126%でした(図1A).
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これを魚種別に見ると,カラフトマスが最も多い4億1,827万尾で全体の71%を占めています.次いでサケが1億641万尾(構成比18%,前年比110%),ベニザケが4,956万尾(構成比8%,前年比91%)と続き,これら3魚種で全体の約98%を占めています.ギンザケとマスノスケは,それぞれ1,010万尾(前年比178%),163万尾(前年比111%)となりました(図1A).
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地域別では,アラスカがカラフトマスの記録的な豊漁により2億8,325万尾と最も多くなり,以下,ロシア2億2,657万尾,日本5,233万尾,カナダ1,445万尾,アラスカ以外の米国(ワシントン,オレゴン,カリフォルニア,アイダホ州)931万尾,韓国10万尾と続いています(図1B)
人工ふ化放流数
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2013年1-12月に各国から人工ふ化放流された幼稚魚数は49億5,186万尾で,前年50億2,995万尾の98%でした(図1C).
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魚種別ではサケが31億1,216万尾で6割以上を占め,これに次ぐカラフトマス12億5,419万尾と合わせると全体の9割近くを占めます(図1C).
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地域別では日本が17億2,852万尾,アラスカ15億6,192万尾,ロシア10億3,906万尾,アラスカ以外の米国3億1,917万尾,カナダ2億9,348万尾,韓国971万尾となっています(図1D).
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さけます類の魚種別漁獲数 |
さけます類の地域別魚種別の漁獲数 |
凡例
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さけます類の魚種別人工ふ化放流数 |
さけます類の地域別魚種別の人工ふ化放流数 |
図1. 北太平洋におけるさけます類の魚種別漁獲数(A),地域別魚種別の漁獲数(B),魚種別人工ふ化放流数(C)及び地域別魚種別の人工ふ化放流数(D).
1993-2010年は「NPAFC Statistical
Yearbook」による確定値.2011-2013年はNPAFC年次報告等で示された暫定値.
1998年までのロシアにはEEZ(排他的経済水域)で他国が漁獲したものを含む.
アラスカ以外の米国はワシントン,オレゴン,カリフォルニア,アイダホ州の合計.
韓国は他国に比べ漁獲尾数・放流尾数ともわずかなため図中では省略している. |
[ページ先頭へ]2014年度の日本
サケ |
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図2. 日本におけるサケの来遊数と人工ふ化放流数.
2014年度来遊数は12月31日現在.2010年度の放流数は岩手県,宮城県を含まない. |
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2014年度の来遊数(沿岸漁獲と河川捕獲の合計)は12月31日現在で4,444万尾,前年度同期比86%となっています(図2).
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今年度は,東日本大震災で被災した年級が4年魚として回帰するため,本州で大幅に減少する懸念がありましたが,幸い前年度並みの来遊がありました.
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総採卵数は12月31日現在で20億3,010万粒,前年同期の100%となっており,計画を満たす採卵数が確保されていることから,放流数も計画(約17億4,000万尾)と同等数になるものと見込まれます.
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カラフトマス |
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図3. 日本におけるカラフトマスの来遊数と人工ふ化放流数. |
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主産地の北海道における2014年度来遊数は161万尾で前年度比49%でした.
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カラフトマスは来遊数が隔年で変動する特徴があり,2003年度以降,奇数年は豊漁年,偶数年は不漁年にあたります.今年度は不漁年の年回りですが,そのなかにあっても特に少なく,来遊数が200万尾を割り込むのは1986年度以来のことです.
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総採卵数は1億3,200万粒と計画数の78%に留まっており,放流数も計画(約1億3,600万尾)を下回る約1億1,000万尾ほどになると見込まれます(図3).
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サクラマス |
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図4. 日本におけるサクラマスの河川捕獲数と人工ふ化放流数.(2011-2014年度の本州河川捕獲数は確認中.) |
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2014年度の北海道における河川捕獲数は5,677尾で前年度比84%となりました.2000年度以降の捕獲数に大きな年変動が見られ,今年度は前年に続き,比較的少ない捕獲数でした.
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採卵数は495万粒でそ上系サクラマスの計画数392万粒を充分満たす数となりました.
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なお,2011-2014年度の本州河川捕獲数については現在確認中です(図4).
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SALMON情報およびさけ・ます資源管理センターニュース(愛称SALMON)に掲載した記事へリンクしています.
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