NASREC:独立行政法人 水産総合研究センター さけますセンター
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スプリング・サイエンスキャンプ2008を開催しました

2008(平成20)年3月24日から26日までの3日間、さけますセンターでは、(独)科学技術振興機構が主催する高校生のための先進的科学技術体験合宿プログラム「スプリング・サイエンスキャンプ2008」を受入機関として開催しました。

サイエンスキャンプとは、大学、公的研究機関や企業の研究所などを会場にして、現場の研究者や技術者からの直接指導による講義・実習などを通じて、科学技術に関する興味・関心を高め、知的探求心を育てることをねらいとした体験型合宿プログラムです。

今回、当センターは初めての開催でしたが、予想を上回る応募があり、その中から選ばれた10名の高校生が参加しました。

1日目は「さけます類の生物・生態学」、「さけます資源とその調査」と題し、資源状況や利用、人工ふ化放流とその研究開発について、また今回のメインテーマとした資源管理技術のための基礎的調査である「年齢組成調査」と「耳石温度標識」について、実習を行うにあたっての予備知識となる講義を行いました。

2日目は、当センター千歳事業所に場所を移し実習を行いました。サケの年齢を調べる「年齢組成調査」では、石狩川水系千歳川に溯上した親サケから鱗を取り観察用標本を作製した後、年齢を判読しました。新たな研究開発ツールとして当センターが取組んでいる「耳石温度標識」では、鱗と同様に親サケから耳石を取り出し、スライド標本を作製し耳石に刻まれたバーコード状のリング(標識)を観察しました。また、実習の一環として実際にサケの飼育を行っている事業所施設の見学を行いました。

3日目には、前日の実習で得たサケの年齢のデータを整理・分析し、過去のデータも利用して資源解析を行うとともに、結果についてのディスカッションを行いキャンプを終了しました。

今回のサイエンスキャンプを通じて、おそらく参加者の皆さんには、あまりなじみのなかったさけます人工ふ化放流について理解を深めてもらえたのではと考えています。参加者へのアンケートでも講義・実習ともにおおむね好評をいただきました。なお、2009年度も当センターでの開催を予定しています。


(1日目)熱心に講義を聞く参加者。

(2日目)サケ親魚からのサンプル採取。左は鱗、右は耳石を取り出しているところ。

(2日目)観察用の標本作製。左は鱗、右は耳石。

(2日目)標本の観察。左は鱗から年齢を、右は耳石に標識がついているかを調べているところ。

(2日目)千歳事業所飼育施設の見学。

(3日目)実習で得たデータを分析中。

(3日目)当センター所長から修了証を授与しキャンプを終了。