スプリング・サイエンスキャンプ2009 |
スプリング・サイエンスキャンプ2009を開催しました「サイエンスキャンプ」とは、(独)科学技術振興機構が主催する、高校生のための体験型合宿プログラムです。次代を担う高校生を対象に、大学、公的研究機関や企業の研究所などを会場にして、現場の研究者や技術者からの直接指導による講義・実習などを通じて、科学技術に関する興味・関心を高め、知的探求心を育てることをねらいとしています。 2009(平成21)年3月23日から25日までの3日間、さけますセンターでは、受入機関として「スプリング・サイエンスキャンプ」を昨年に引き続き開催し、今回は応募者の中から選ばれた8名の高校生が参加しました。 我が国のさけます人工ふ化放流は100年以上の歴史を持ち、その中で当センターは中心的な役割を担ってきました。参加する高校生の皆さんへ、北日本の重要な水産資源であるさけます資源の管理と研究開発の基礎を学んでもらうべく、「さけます類の生物・生態学と資源管理技術 入門コース」と題して実施しました。 1日目は、さけますとはどんな魚か?といった初歩からその特徴まで、また人工ふ化放流や資源管理の概要、遺伝分析や海洋調査といった最新の研究開発状況についての講義や、キャンプのメインテーマである資源管理技術のための基礎的調査である「年齢組成調査」と「耳石温度標識」についての講義を行いました。 2日目は、当センター千歳事業所に場所を移し実習を行いました。サケの年齢を調べる「年齢組成調査」では、石狩川水系千歳川に溯上した親サケからウロコを取り観察用標本を作製した後、年齢を判読しました。新たな研究開発ツールとして当センターが取組んでいる「耳石温度標識」では、ウロコと同様に親サケから耳石(頭部にある石状の器官)を取り出し、スライド標本を作製し耳石に刻まれたバーコード状のリング(標識)を観察しました。また、実習の一環として実際にサケの飼育を行っている千歳事業所飼育施設の見学を行いました。 3日目は、まず前日の実習で得たサケの年齢のデータを整理しました。さらに、過去のデータも使用して、2班に分かれパソコンを用いて資源分析のグラフを作成し、参加者自身の考えでまとめた結果を発表しました。 今回のサイエンスキャンプを通じて、さけます人工ふ化放流や水産増殖について理解を深めてもらえたのではと考えています。また1日目終了後の懇談会では、講師から自身の経歴を語ってもらい、参加者の進路決定にも役立てたのではと考えています。 修了証授与式では、参加者から当センター所長へお礼の色紙が贈られ、大変感激しました。参加者へのアンケートでも好評をいただきました。なお、次回も当センターでの開催を予定しています。
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