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平成15年度さけ・ます資源管理連絡会議の概要

会議の概要

開催日時
平成15年8月7日(木)10:00-17:00
開催場所
ホテル ライフォート札幌
参加者
水産庁6(5)名、評価委員会専門委員2(2)名、機関外部評価委員2(4)名、北海道区水産研究所2(3)名、道県行政機関14(19)名、道県試験研究機関29(27)名、民間増殖団体54(38)名、漁業団体5(5)名、センタ−役職員53(49)名
合計167(152)名 (( )の数値は前年値)

会議内容

  • 主催者を代表して大西理事長から挨拶し、来賓を代表して水産庁栽培養殖課山下課長から挨拶を受けたのち、薫田総括部長が座長を務め、議事を進めた。なお、昨年のアンケート調査結果を受け本年度から、「来遊資源」、「幼稚魚期の調査を含むふ化放流」、「調査研究・技術開発情報」の3つのテ−マに分け、それぞれにセンタ−及び関係機関からの情報提供や意見交換を行う場を設けることとした。
  • 来遊資源の動向
    • 水産庁漁場資源課神頭資源技術調査官から、我が国のさけ・ます資源を取り巻くNPAFC(北太平洋溯河性魚類委員会)や日ロ漁業協力協定等の厳しい国際情勢について情報が提供された。また、北海道区水産研究所福若主任研究官から、北太平洋、特に、日本系サケが夏季に分布するベ−リング海におけるさけます資源及び海洋環境について、平成14(2002)年及び平成15(2003)年夏の情報が提供された。
    • 北海道立水産孵化場永田計画管理室長から北海道の、岩手県水産技術センター小川主任専門研究員から岩手県のサケ来遊資源の評価結果についての情報が提供され、それぞれ15年度のサケ来遊については昨年並みとの推定が発表された。また、全国、北海道及び本州の太平洋及び日本海系サケ来遊資源の評価結果と年齢別回帰親魚数から推定した15年度のサケ来遊見込みが昨年並みであることを報告し(増殖管理課:安達係長)、放流時の沿岸海表面水温データなどを加えた重回帰分析においても同様の推定結果を得られたことを報告するとともに、資源評価精度を向上させるための様々な課題や14年度の取組み状況について報告した(調査研究課:長谷川室長)。
  • ふ化放流の実施状況
    • 我が国における14年級のサケふ化放流(15年春に放流)及び12年級のサクラマスふ化放流(13年春、秋及び14年春に放流)についての情報を提供した(増殖管理課:平林係員、平澤係員)。
    • また、サケの回帰率が他海域と比較して高い根室海峡沿岸においてそのメカニズムを探るため、14年春までの5年間、海洋生活期初期のさけ・ます類の分布、移動、成長及び海洋環境調査を行った「根室海域総合調査」の結果概要を報告した。同海域は、サケ幼稚魚が時期の推移に伴い分布域を沖側へ急激に拡大することや、離岸距離により魚体サイズが異なるなど、他海域と変わらない傾向がある一方、サケ幼稚魚の餌となる動物プランクトン量のピークが複数あることや、標識魚から求めた日間成長率が他海域の最も高い値に近似していることなど、他海域との違いもあることを示し、これらの結果を踏まえ、今後、放流時期、放流サイズ及び放流方法などの検討を行うことを報告した(調査研究課:関室長)。
  • 調査研究、技術開発に関する情報
    • 調査研究・技術開発に関する情報として、道立水産孵化場宮腰研究員から「サクラマス放流事業の経済効果について」、山形県内水面試験場大井資源調査部長から「森と川の生態系に関する基礎調査について」の情報が提供され、サクラマスの資源状況と、サクラマスふ化放流とそれに関する調査研究の取組みと今後の課題について報告した(調査研究課:大熊室長)。
    • また、15年春にセンター虹別事業所で発生したサケ稚魚のさいのう水腫症について、病理組織学や疫学的な調査等を行ったがその発生原因の特定に至らなかったこと、魚体の総脂質や飼育水中のアンモニア濃度に他施設との差が認められたことからこれらを中心に引き続き調査、検査を継続することを報告した(調査研究課:野村室長)。岩手県内水面水産技術センター太田主任専門研究員から「いわゆる水腫症の知見について」と題して、水腫症の予防法としてイワナ等で使用されている塩水浴についての事例報告が提供された。
  • センタ−業務に対する意見交換を行い、青森県水産振興課吉田主幹、北海道漁業協同組合連合会安田部長代理、岩手県さけ・ます増殖協会島川副会長、根室管内さけ・ます増殖事業協会佐賀会長、根室管内別海漁協松原サケ定置部会長、同じく標津漁協馴山サケ定置部会長等から意見、要望が出され、担当部課長から実施状況や今後の対応方向を説明した。
  • 関係者の意見、要望を今後のセンタ−業務運営に反映させるため、刊行物、資源管理連絡会議、技術指導に関するアンケ−ト調査を実施することとし、調査対象となる道県行政機関、試験研究機関及び民間増殖団体に対して調査への協力を要請した(調査結果は、後日とりまとめる予定)。

議事次第

  1. 開場
  2. 開会
  3. 主催者挨拶
  4. 来賓挨拶
  5. 議事
    1. 我が国のさけ・ます来遊資源の動向について

      1. 我が国のさけ・ます資源を取り巻く国際情勢(水産庁漁場資源課)

      2. 北太平洋におけるサケ資源と海洋環境(北海道区水産研究所)

      3. 我が国のサケ来遊資源の評価

        1. 北海道(北海道立水産孵化場)
        2. 岩手県(岩手県水産技術センター)
        3. 全国及び太平洋、日本海系群(さけ・ます資源管理センター)
        4. サケの資源評価と資源動向の把握(さけ・ます資源管理センター)
      4. 意見交換

    2. 我が国のさけ・ますふ化放流の実施状況について

      1. さけ・ますふ化放流結果(さけ・ます資源管理センター)

      2. 根室海域総合調査の結果について(さけ・ます資源管理センター)

    3. 調査研究、技術開発に関する情報提供について

      1. サクラマスについて

        1. サクラマス放流事業の経済効果について(北海道立水産孵化場)
        2. 森と川の生態系に関する基礎調査について(山形県内水面水産試験場)
        3. サクラマス増殖に関する調査研究と今後の展開について (さけ・ます資源管理センター)
      2. さいのう水腫症について

        1. 虹別事業所におけるサケさいのう水腫症について (さけ・ます資源管理センター)
        2. いわゆる水腫症の知見について(事例報告)(岩手県内水面水産技術センター)
    4. フリートーキング(センターへの要望とその対応)

    5. 平成15年度アンケ−ト調査について(さけ・ます資源管理センター)

  6. 閉会