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平成21年度さけます関係研究開発等推進特別部会

さけます関係研究開発等推進特別部会報告書

会議責任者 さけますセンター所長

1 会議日時及び場所

  • 平成21年8月4日(火)9:00〜17:15
    • (さけます関係研究開発等推進特別部会−さけます研究部会    9:00〜14:00)
    • (さけます関係研究開発等推進特別部会−さけます成果普及部会 14:30〜17:15)
  • ホテルライフォート札幌(札幌市中央区南10条西1丁目)

2 出席者所属機関及び人数

  • さけます関係研究開発等推進特別部会−さけます研究部会:17機関 67名
  • さけます関係研究開発等推進特別部会−さけます成果普及部会:60機関 222名

3 結果の概要

さけます関係研究開発等推進特別部会−さけます研究部会
議題等 結果の概要
1 平成21年度さけます関連調査研究計画  最近の研究情勢について、水産庁増殖推進部研究指導課から情報が提供された。平成21年度における参加9道県の10の試験研究機関のさけます関連調査研究計画について各機関から報告され、水産総合研究センターからは30課題の計画内容を一覧にして報告した。
 また、各試験研究機関が行う平成21年度の標識放流計画について報告するとともに、計画内容を精査し標識魚再捕者に対して迅速な情報提供を行うことが確認された。
2 サケ資源変動要因の把握と今後の研究開発及びふ化放流研究発表  平成20年度のサケ来遊数減少を受け、その減少要因を解明するため、北海道大学、北海道立水産孵化場、岩手県水産技術センターと連携して取りまとめた結果を報告し、参加した機関との意見交換を行った。また、当面の対応策として、海況情報、特に、極沿岸域の水温データの共有化と迅速な公表のための道県試験研究機関等との連携の強化、海況の異変に対応したリスク分散型の稚魚放流の方向性を提案し了承された。
3 さけますモニタリングデータの共有化  各機関が収集するモニタリングデータに関し、データの共有化を進めていく重要性が高い項目リストについてのさけますセンターからの提案が了承され、今後、共有するデータのフォーマット、共有方法、利用規則等について、さけますセンターが中心となり検討を進めていくことが確認された。
4 その他  サクラマス分科会に関して、昨年の分科会以降の情勢が報告され、本年の分科会の開催に向けて、プロジェクト研究立ち上げの可能性について検討を進めていくことが確認された。

 
さけます関係研究開発等推進特別部会−さけます成果普及部会
議題等 結果の概要
1 課題報告
  1. 平成20年のサケ来遊資源の減少をどう考えるか
     さけますセンターから、平成20年度のサケ来遊数減少要因について関係機関との検討を行った中間報告として、降海直後の低水温による沿岸での減耗、沖合域での初回越冬期における高水温による減耗、母川回帰年のベーリング海での索餌回遊期の低水温及び千島列島周辺の回帰回遊時の高水温が親魚の回帰に影響を与えた可能性についての知見を報告した。また、当面の対応策として、道県試験研究機関等と連携し、海況情報、特に、極沿岸域の水温データを迅速に公表することを報告し、海況異変に対応したリスク分散型の稚魚放流の実施を提言した。
  2. さけますセンター研究開発課題の成果報告
    1. 耳石温度標識放流魚から得られた新たな調査結果
       さけますセンターから、耳石温度標識放流魚の追跡調査から明らかになってきた、沿岸域での稚魚及び親魚の移動分布に関する新たな知見、放流時期及びサイズの違いによる回帰率の違いに関する知見について報告した。
    2. 日本系サケの地域集団
       さけますセンターから、近年開発された鋭敏な遺伝マーカーである一塩基多型(SNP)を用いた分析の結果、過去に行われたアロザイム分析による地域集団の存在が再確認され、精度の高い地域集団毎の資源管理に向けて強力なツールを得られたことを報告した。
    3. 耳石温度標識でわかったサクラマスの放流魚と天然魚
       さけますセンターから、サクラマス増殖河川における耳石温度標識放流魚の追跡調査の結果、増殖河川においても天然魚の占める割合が高く、資源回復のためには自然再生産の実態を明らかにすることの重要性を報告した。
2 本特別部会及びさけますセンター業務に対する要望及び意見交換
  1. 事前に提出された要望及び意見への対応
     岩手県久慈地方振興局から、さけます担当の道県水産業普及指導員向けの研修会の開催についての要望が出されており、さけますセンター担当部署から、東北水研と日水研の調査普及課では研修会を、さけますセンターでは実習を含めた研修員の受入れをそれぞれ実施しており、具体的な研修課題を提案してほしいと回答した。
  2. 当日会場で出された要望及び意見への対応
     (社)岩手県さけます増殖協会からは、サケ資源の不振が続く中で技術的な改善に向けた成果を期待していたプロジェクト研究が本年度で打ちきりとなり、残念であるとした上で、a)宮古栽培漁業センターに整備されるさけます施設での研究開発計画、b)三陸地方における水研センターの耳石標識放流の継続について質問が出され、c)本日の成果普及部会での成果について、岩手県のさけます関係者に聞かせる機会を設けて欲しいとの要望が出された。さけますセンター担当部署からは、プロジェクト研究は不本意ながら当初の5年計画が3年に短縮された。これまでの成果や今後の進め方について、岩手増協には後日説明したいとした上で、a)宮古栽培漁業センター内のさけます施設は東北地方での研究開発の拠点とし、淡水、汽水、海水を導水できる水槽室や耳石温度標識装置を配置したふ化室の整備を計画しており、b)サケ生活史全般の飼育試験や、耳石温度標識による実証放流を通じて、ふ化放流技術の高度化を進める計画である、c)得られた成果は技術講習会等の機会に民間ふ化場や漁業関係者に情報提供すると回答した。
     山形県鮭人工孵化事業連合会からは、a)月光川から放流された耳石標識魚に関する採捕情報の提供の要望が出された。また、広域連携さけます資源造成事業に関連し、b)日水研調査普及課の仲介で始まった北海道のオホーツク海沿岸漁協との交流の継続、c)広域的な民間団体の連携により、メジカ増産に特化したふ化場の整備計画に対する助言が要望された。さけますセンター担当部署からは、a)月光川からの耳石標識魚の放流は平成22年度までの3年間を予定しており、標識魚の採捕情報は適宜お知らせする、b)この場でも北海道と本州の関係者が情報交換をしており、民間レベルの交流が活発に行われていた。これは水産庁が進めている広域連携さけます資源造成事業の最大の成果であり、水研センターとしても技術的な支援に努めるので、民間交流を一層すすめてほしいと回答した。

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さけます関係研究開発等推進特別部会
「さけます成果普及部会」議事次第

  1. 挨拶
     主催者:水産総合研究センター理事 井上 潔
     来賓:水産庁増殖推進部栽培養殖課長 大角 亨
  2. 課題報告
    1. 平成20年のサケ来遊資源の減少をどう考えるか−サケ資源変動に関する中間報告及び平成21年度の沖合調査情報−
       
      さけますセンターさけます研究部長 永沢 亨
    2. さけますセンター研究開発課題の成果報告
      1. 耳石温度標識放流魚から得られた新たな調査結果
         
        さけますセンター技術開発室技術開発係長 高橋史久
      2. 日本系サケの地域集団
         
        さけますセンター遺伝資源研究室長 名古屋博之
      3. 耳石温度標識でわかってきたサクラマスの放流魚と天然魚
         
        さけますセンター環境・生態研究室長 大熊一正
  3. 本特別部会及び当センター業務に対する要望及び意見交換

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